ブランドの威力
ブランドとはなにか
銘柄。商標。特に高級品として有名な商品と、その商標。
出典 デジタル大辞泉
上のようにブランドは商品を判別するための記号のことです。要するに、記号なので全ての商品にブランドというものがあるわけです。(一般的には有名高級品のことしか言わないが)なので、広義では10円ほどで買えるうまい棒なども、立派なブランドなのです。
しかしそれだけでは、全然威力がありません。きっと数多の商品に埋もれて終わるでしょう。実はブランドにはもう1つ意味があるのです。
強いブランドとは、個々の顧客の関心領域において圧倒的な価値的優位を確立しているものであり、またその顧客の期待を常に裏切らないことを約束する製品や企業の象徴のことを指す。
出典 ビジネススクールが贈る経営情報誌 GLOBIS.JP
つまり顧客に特別な体験・感情を持たせるもののことを言います。後者の意味のブランドはとても重要で、威力が抜群です。
ブランド誕生の秘密
ブランドとして名を馳せる前は、すごく高品質なものを作っていたか、その製品のパイオニアだった場合が多いです。
- トランク職人から始まったルイヴィトン
今でこそ、世界で最も有名なブランドの1つですが、ルーツはトランクです。(今も作ってます)
創業者のルイはスーツケース職人で1800年半ばに需要がのび、パリ万国博覧会で銅メダルを受賞し、一気に評判が上がります。そして重要なのは、王族が使ったことです。
当時のスペイン国王アルフォンソ12世などからも注文を受けるなどし、ルイヴィトンの規模は拡大しました。
あまり知名度が高くないですが、このドイツの企業は、小型カメラやレンズ交換式カメラを初めて発売したメーカーです。レンズの品質がとても良く、戦前のカメラでも、デジタル写真を白黒にしたようにとてもきれいな写真がとれます。
しかし、NikonやCanonより圧倒的に高く、コンパクトデジタルカメラでも、数十万円はするのです。
ブランドの維持
ブランドを維持するためには歴史にあぐらをかいているだけではだめです。ブランドの世界観を表現しなければいけません。
特に、ブランドの直営店は、世界観を表現する場所として非常に重要です。そのため、直営店は銀座やニューヨークなどの、超一等地に置かれることが多いです。しかも、エクステリアやインテリアの設計には、有名な人を使ったりし、十分な金をかけることが多いです。そしてスペースを贅沢に使った売り場を持っています。
さらに広告にも気を使っています。例えばAppleのアメリカ版のCMでは、Mac=かっこいい Windows=ダサいというのを前面に押し出したCMとなっています。そして日本でも、ライバル批判はしませんが、元気な声でアピールするようなことはしません。ナレーションもないことがあります。洗練された見せ方をし、世界観の構築に一役買っています。
ブランドの威力(ブランドと利益の関係)
ここからが本題です。このように多大な努力をして、ブランドを作りあげるのは、大きな利益につながるからです。メリットは2つあります。
- 高価格でも売れる
他とは違う ということを認識されると、たとえ、原価よりかなり高い価格を掲示しても、消費者は買ってくれるようになります。例えばAppleのiPhoneXSMAXは、価格が15万円くらいなのに対し、原価は5万円しかないのです。これは企業に大きな利益をもたらします。さらに、不毛な価格競争に巻き込まれないので、企業体力も削られません。
- 客がとられない
ブランドを確立すると、代替製品が無くなる(特にそのブランドのファンは)ので、固定客を得られます。そうすると不毛な開発競争を避けられ、他社に真似もされず、長い年数売上を確保できるのです。
まとめ
このようにブランドには大きな力があります。やっぱりiPhoneはかっこいいし使いやすいので、高くても欲しいですね。